【インタビュー】可愛さ溢れる「褒められ帽子」Fairy.Hat

Fairy.Hatインタビュー

大阪市に帽子専門店を構える「Fairy.Hat(フェアリーハット)」の伊藤友香さんは、ブランドを立ち上げる当初から「おしゃれなケア帽子を提供したい」という思いとともに歩んできました。

福祉や美容に携わってきた伊藤さんの、少しめずらしい経験を生かした可愛くフェミニンな「褒められ帽子」は、お客様の毎日に素敵な変化が届くよう、まるで魔法を掛けるようにひとつひとつ心を込めて作られています。
(店舗は2019年秋の取材時現在、予約営業中)

 

「美容と福祉を兼ね備えた仕事を」

Fairy.Hatインタビュー

伊藤さんは大学時代に福祉を専門的に学んだことから、「美容と福祉を兼ね備えた仕事がしたい」という強い思いがありました。
そんな中で携わったのは、病気やけがで外見に悩む患者様に病院などで化粧を施すメイクボランティアでした。

普段は室内に閉じこもりがちな患者様にメイクをすると、きらきらとした表情に一変する様子を度々目の当たりにしました。
患者様と毎日顔を合わせている看護師さんが「あんな素敵な表情を初めて見た」と、泣きながら話してくれたこともあったと言います。

 

美容師としてのキャリアも

Fairy.Hatケア帽子

Fairy.Hatとして最初に扱ったケア帽子

メイクの経験をきっかけに美容の勉強にも力を入れ、その後10年ほど、美容師として働きました。

美容師時代には、がんなどの影響でウィッグや帽子を着用されているお客様の接客経験も。

ウィッグや帽子で、その人の気持ちを動かすことができると初めて気づきました。将来自分のお店を持てるなら、そんな帽子も扱いたいと思ったんです」。

このときの気持ちが、現在のお店を始める原動力となりました。

 

思い切って出店へ

Fairy.Hatオープン時

ここから始まったオープン時の扉。営業日時は当初のもの

美容関係の仕事を続ける中、時には悩みを感じることもあったと言います。

そんなとき「一生に一度、お店を持って自分のやりたいようにやってみよう。好きなことをやるしかない!」と奮起しました。

時期を同じくして、幼いころから裁縫を教えてくれた祖母が急逝。悲しみの中、裁縫をしなくなってしまうことが寂しく、「祖母に教えてもらったことを形にして人を喜ばせることができれば、天職なのでは」と、帽子専門店の開業を決意します。

 

技術一つで喜んでもらえる

Fairy.Hatインタビュー

「メイクも美容師も、技術一つでお客様に喜んでもらえる。今はお店を持ったことで、帽子一つでお客様に喜んでいただきたい帽子をかぶるだけで気持ちやテンションが上がり、その日を一日楽しく過ごすことができれば、すごいことだと思うんです」。

伊藤さんの夢だった「美容と福祉を兼ね備えた仕事」は、現在進行形で形になっています。

 

女の子に魔法を掛ける妖精

Fairy.Hat帽子

Fairy.Hatのブランド名は、その名の通り「妖精の帽子屋」という意味が込められています。
イメージは、物語に出てくる「女の子やお姫様に魔法を掛け、可愛く、美しくする妖精」です。

伊藤さんは帽子をゼロから製作するのではなく、メーカーから仕入れた商品に、了承を得た上でオリジナルのアレンジを施して販売しています。
まさに、妖精が帽子にも魔法を掛けているかのよう。そして帽子を手に取ったお客様をきらきらと輝かせる、そんなお店です。

 

手作業の装飾に特化

Fairy.Hatケア帽子

どうしてゼロから帽子を作らないのか、とお客様に尋ねられることもあると言います。
しかし、より良いものを手に取りやすい価格でお客様に届けるため、今は装飾専門でありたいと考えています。

商品の装飾はひとつひとつが手作業で形になっていきます
添えられているレースの多くも、伊藤さんがそれぞれ染めているため、グラデーションや色合いは全く同じではなく、個性を持った自然な仕上がりになっています。

 

Fairy.Hat帽子

レースは素材によっては、青白かったり白すぎたりしてしまい、コーディネートの中で不自然に目立ってしまうこともあるそうです。
そのため、たとえばコーヒーのような柔らかいブラウンで染めることで肌なじみの良い新しい「白」に。
洋服にも合わせやすくなっています。

「全てが手作業なので、ひとつひとつの商品にも細かく対応できます。お客様からは、ありそうでない、とよく言っていただけます」。

 

「似合わない」と諦めないで

FairyHat店内帽子

Fairy.Hatの店内に溢れる帽子たち。
伊藤さんは、「ぜひ端から端までかぶってみてほしい」と話します。

自分は帽子が似合わないと思っている方が多いと感じるんですが、それってすごくもったいない。たまたまお店でかぶってみたものが似合わないように見えても、実は他のところに良い出会いがあるかも」。

美容師時代の接客経験も生かし、店頭ではお客様にたくさんの帽子をかぶっていただき、少しずつ「これもありかも」という気持ちを感じてほしいと言う伊藤さん。

「これはいいな、これはちょっと違うな、と、帽子にもいろいろあるんだと経験してもらうのも大切です。お客様らしさを表現できる帽子を見つけていただけたら」。

 

「褒められ帽子」を楽しんで

Fairy.Hatインタビュー

オシャレや個性を追求したケア帽子を求めるお客様はきっとたくさんいらっしゃるものの、まだまだ販売しているお店も少ないのではと伊藤さんは懸念します。

「少しずつ広まって、手に取っていただける方が増えていただけたら」と想いを語ります。

お客様から「褒められ帽子」と呼ばれるというFairy.Hatのアイテムは「かぶることで、可愛い、素敵だねと人から声を掛けられることが多くなったと聞くんです。大人になると褒められることって滅多になくなってしまうけれど、褒められるのってすごく嬉しいし、大切なこと。帽子がそんなきっかけになってほしいです」。

自分らしい帽子で華やかで明るい気持ちに。そして出会った人たちにも「なんだか素敵」と感じてもらえる。そんな不思議な妖精の魔法に、ぜひ掛かってみてください。

 

今回ご紹介した「Fairy.Hat」の商品はこちらから

 

 

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