一度目にしたら忘れられない印象的なデザインの「DEL-HITS(デルヒッツ)」の手編み、手織りの帽子。
ケア帽子として着用していただくには、最初は少し派手に感じるかも知れませんが、一歩を踏み出してみると、今までとはひと味違うおしゃれを楽しむことができるのでは。
帽子をデザイン、制作するDEL-HITSの長野陽子さんが、風景や街並み、音楽など、様々なものから吸収したイメージを反映させた個性と、長野さんの人柄が溢れるアイテムになっています。
15年以上の歴史、「ヒットが出る」!
かつてはバッグメーカーに勤め、鞄のデザインを手がけていた長野さん。
会社を退社後しばらくした2003年、独立した元同僚のお店でニット帽を販売してみないかと声をかけられたのが、DEL-HITSを立ち上げるきっかけとなりました。
それ以来15年以上にわたって、店頭やインターネットで帽子の販売を続けています。もともと得意だった手編みや手織りの技術を生かした他にはないアイテムに、DEL-HITSの熱心なファンになるお客様もたくさんいらっしゃいます。
少し変わったブランド名の由来は、DEL-HITSを立ち上げる直前、元同僚と生地の仕入れに行ったアメリカ・フィラデルフィアの街が印象に残ったこと。
「フィラデルフィア」から「デル」を取ってブランド名に。
さらに、プロ野球のファンだという長野さんは「ヒットが出る」という意味を込めてDEL-HITSと名付けたと言います。
まさに、大切な思い出と大きな夢がこもった名前です。
まずは素材、それからデザイン
長野さんのこだわりは、バッグメーカーに勤務していたときから一貫して「第一に素材、それからスタイル」。
帽子に使う糸は購入して手元に置き、「糸と向き合って考えます。デザインからではなく、糸を見てからデザインします」と長野さん。
糸の風合いや太さ、伸縮性や毛羽立ち、ツヤなど様々な要素を見つめた先に、新たな帽子が生まれます。
糸は海外から輸入することも多く、中には購入してみたものの帽子には合わないと判断することも。
そのような素材も、DEL-HITSでは、バッグチャームやがま口ポーチなどの雑貨になっていきます。
素材と向き合った後、それぞれに合ったアイテム、デザインに変化させるのは、DEL-HITSならではです。
写真や音楽、多様なインスピレーション
デザインのイメージはどこからわいてくるのか?
長野さんの場合は、日々の生活や趣味から多様なインプットを得ていました。
趣味は風景写真を撮ること。
空模様や季節の移り変わり、他にも街並みや少し変わった建物をカメラに収めています。
パンクやロックなどのジャンルの音楽が好きで、会社員時代にはバンドを組んでベースを弾いていた経験も。
海外旅行も趣味で、大好きなアメリカ ・ロサンゼルスのファッションにも影響を受けていると言い、「仕事に疲れたとき、気がついたらロスにいた」こともあるとか!?
仕事用アイテムも楽しく
帽子のデザインなど仕事に使う文房具もこだわりが溢れていました。
デザインやメモを書き留めるノートは、ずっと同じ種類のものを使い続けています。
このノートに、カラフルなマジックペンで「ざくざくと」イメージを書き込んでいくそうです。
表紙にはインパクト抜群のDEL-HITSのロゴステッカーが。
音楽好きの長野さんらしく、ギターをかたどった定規や、ガラス職人の方に直接頼んで、お気に入りの糸を入れて作ってもらったという、オーダーメイドのペンも。
ご自身も入院生活の経験があるという長野さん。「気持ちが落ち込んでいるとき、自然と赤色のものを集めるようになりました」。そのときから手元に置いているのが、赤い柄が印象的なマグカップ。現在も愛用中です。
お客様の言葉に耳を傾け、ケア帽子としても愛されるブランドへ
DEL-HITSの帽子を購入されるお客様の中にはこれまでも、闘病中のケア帽子をお探しの方が何人もいらっしゃったそうです。
そんなとき、長野さんが心がけているのは「お客様のお話に耳を傾けること」。
「通院に明るい帽子をかぶりたい」
「ウィッグに合う大きめの帽子がほしい」
「好きなモチーフのついたものを」。
アイテムそのものへのご要望はもちろんですが、
「病院で帽子を褒められて嬉しかった」
「闘病中だからこそ、ファッションで気分を上げたい」
と言った、直接商品に関わること以外にも体調の変化や何気ないことまで、たくさんのお話をされています。
お客様から、手紙やメールで近況報告をいただくこともあるそうです。
初めて帽子を購入されたときは病気で体調が悪かったお客様が数年後、元気な姿を見せに来てくれたときは「本っ当に嬉しかった」と、顔をほころばせて話していました。
「おしゃれは勇気」
「気持ちだけでも、お客様に寄り添うことができれば」。
そんな願いを込めて作られている今回のアイテム。
DEL-HITSのデザインは、最初は派手に感じるかも知れません。
でも、「かぶってみたら、『私意外とイケる!』ってなるものですよ。
おしゃれは勇気です。明るくいきましょう!」
と、力強く語ってくださいました。
今回ご紹介した「DEL-HITS」の商品はこちらから