洗練された上品なスタイルが目を引く「chiaki」 の帽子。Fcubleのお客様に向けて、ケア帽子として使いやすい商品を制作してくださっています。着用時の肌触りや、お手入れのしやすさなどに気を配ったアイテムを取り揃える注目のブランドです。
Fcubleで取り扱っている商品はもちろん、その他のアイテムも、オリジナリティーあふれるデザインの中に、どこかほっとするような優しさを感じさせてくれます。
その背景には、ブランドを手掛ける辻ちあきさんによる、世代を超えて受け継がれたものづくりを愛する思いがありました。
きっかけは帽子作りへの興味
「自分でなんでも作るのが好きなので」。
帽子制作を始めたきっかけは「サイズが合うものがなかったから。洋裁を習っていたので、帽子作りにも興味があったんです」。
販売を始めたのは1995年。友人に誘われ、地元の京都市で手作り品を少しずつ売り始めたことが転機でした。
当時は3人のお子さんの子育て中だったため、活動範囲を京都周辺におきながら、徐々に百貨店の催事などにも出店するようになりました。
当初は帽子だけでなく、洋服やカバンなど様々なアイテムを制作し出品していた辻さん。その中でも特にお客様からの反応が良かった帽子をメインで販売し、現在に至ります。
長く続くブランドに
25年近くの歴史があるchiaki。
「当時まだ新しい生地としてめずらしかった、フリース素材を帽子に使ってみたり、ゴムを使ってかぶりやすく作ったキャスケットがご年配の方に人気だったり、たくさんの思い出があります」と辻さんは振り返ります。
両親から受け継いだ裁ちバサミ
そんな辻さんの個性的なデザインは「事前に考えて作り始めるより、生地を切り出しながら思いつくことが多い」という独特な発想スタイルです。
辻さんにとって、生地の裁断は新たなアイデアが生まれる大切な瞬間。相棒となるのは長年愛用している裁ちバサミです。
なんとこのハサミは、辻さんのお母さま、そしてお父さまも使い込んだという家族の歴史が刻まれた品でした。
辻さんが子どものころ、洋服を作ってくれたというお母さま。お母さまは現在でも自宅にある生地で布マスクを縫うなど、変わらずものづくりがお好きだと言います。
お母さまが縫い物をする機会が減り、あまりハサミを使わなくなると、なんと今度はお父さまが使い始めたと言います。趣味の射撃をする際に着用していたベストに、革の肘当てを縫いつけるなどして愛用していたそうです。
「父の世代で自分で縫い物をする男性は少ないのではと思いますが、いろいろと作るのが好きだったみたいです」。
3年前に亡くなられたお父さまの思い出を、懐かしそうに話す辻さんの表情が印象的でした。
手作りアイテムに囲まれて
こうして両親からハサミを受け継いだ辻さんは現在、ケースを手作りして大切に使っています。
販売品だけでなく、身の回りのアイテムも「自分でなんでも作るのが好きなので、物を買わないくらい」というほど。
布製品にとどまらず、制作の合間にひと息つくときには欠かせないコーヒーをいれるカップも、なんと辻さんの手作りです。
離れて暮らす家族にも
もちろん洋服やアクセサリーも。
娘さんの結婚式では、白無垢に合わせた髪飾りを作りました。
そしてお孫さんにはキュートな帽子を贈りました。
現在はイタリアに住んでいる娘さん夫婦とお孫さん。たとえ海を越えて離れて暮らしていても、心のこもったアイテムは強い絆になっているのではないでしょうか。辻さんも「家族が使ってくれると、作りがいがありますね」と嬉しそうに話します。
うきうき、晴れやかな気持ちに
Fcubleで取り扱いを始める以前にも、ウィッグの上からや地肌での着用としてchiakiの帽子を購入されたお客様もいらっしゃったそうです。
「華やかな帽子で、気持ちが晴れやかになるのなら」。お見舞い用など、贈り物として購入される方も多いとか。
辻さんが大切にしていることは「ふと立ち止まるような帽子」を作ること。
「帽子をかぶったときに、うきうきした気持ちになってほしい。自分の姿を鏡で見たとき、ちょっと楽しくなってうきうきする、そんなアイテムになってもらえたら」。
家族への優しい贈り物のように、手に取るお客様への気持ちを込めて、ていねいに制作されたchiakiの帽子。
毎日の「うきうき」を生み出すアイテムになることを祈っています。
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